オートミールは原材料が同じオーツ麦(えんばく)であっても、完成までの過程により種類が変化します。そんな、オートミールの種類にまつわる・・
業務スーパーのロールドオーツ、クイックオーツはどれ?
調理しやすいインスタントオーツとは
ロールド、クイック、インスタントの特徴とは
これらの疑問について分かりやすく見ていきます。
オートミールの種類:ロールドオーツ、クイックオーツとは
オートミールはもともと非常に硬いために食べやすくする加工が必要です。その段階によってオートミールの名前が変わり、お店に並ぶときにはいくつもの種類が存在することになります。
どんな理由で種類が変わるのか知るためには、加工の段階を矢印でつなぐと明確になります。
オートグローツは堅すぎるので、カット、加熱、潰して食べやすく加工します。その工程によって名前が変わります。
オーツ麦のもみがらを取った状態がオートグローツですが、皮を取っただけなので堅すぎて調理には向かない段階です。これをどうにか食べるために 2~3片にカットしたのがスティールカットオーツです。
お店でよく見る種類:ロールドオーツ、クイックオーツ
蒸して押しつぶした段階がロールドオーツです。お店で目にするオートミールで最も多いタイプであり、業務スーパーのオートミールも3種類の製品がロールドオーツに該当します。
そして、使い分けたいのがクイックオーツ:砕いてあるので熱が伝わりやすく時短に向いているタイプです。業務スーパーのオートミールでは1種類がクイックオーツに該当しています。
加熱処理をしているインスタントオーツ、粉末状のオートフラワー
いくつか種類がある中で。加熱調理を終えているのがインスタントオーツです。
ロールドオーツに比べると、圧倒的に柔らかいので調理が早いメリットがあります。使いやすいインスタントオーツですが、業務スーパーで扱っているオートミールで該当する製品はありません。
ロールドオーツを粉末状まで細かくしたオートフラワー(オーツ麦粉)というタイプもあります。オーツ麦粉はパン粉として使用したり、小麦粉の代わりとしてパンケーキ、マフィンなどに使えます。
日本で流通量が少ない理由は、小麦粉の代用としてはかなりのコストアップになるからです。
業務スーパーで扱うオートミールの種類を一覧する
オートミールの種類を一つの表にまとめます。
オートミールの種類一覧 | |||
種類 | どんなタイプ? | ||
オートグローツ | もみ殻を除去しただけの状態。堅すぎて市場に出回らず。 | ||
スティールカット | オートグローツをカット。加熱に時間がかかる。好きな方には高評価。 | ||
スコティッシュ | スティールカットをさらに細かくカット。入手が難しく高い。 | ||
ロールドオーツ | 【蒸し加工・業スー3種類】一般的な粒タイプ。歯ごたえあり、万能。 | ||
クイックオーツ | 【蒸し加工・業スー1種類】ロールドオーツを砕いたタイプ。柔らかい時短調理に。 | ||
インスタントオーツ | 【加熱あり】ボイル後、乾燥させたタイプ。生食に向いている。 |
品揃えが多い日本のAmazonでもオートグローツの種類に該当する製品は見つかりません。
実際に家庭で楽しむオートミールとしてはスティールカットオーツからになります。ですが、一般的なロールドオーツよりもはるかに熱が通るまで時間がかかります。つぎは硬い方から順に見ていきます。
オートグローツの精製で取り除くもみ殻はオートブラン
玄米は調理すると食べることが可能ですが、えん麦のオートグローツは、食べられないレベルの堅さです。オートグローツにするときに取り除くもみ殻は「ふすま:オートブラン(Bran)」と言います。これを加工すると・・
食物繊維たっぷりの小麦ブランを食べやすいフレークにしました
引用元:オールブラン|Kellogg’s
おなじみのケロッグ オールブランの原料となります。国内でオートブランの製品はあまり多くないですが、海外ではパン、クッキーによく配合されています。
つぎは、とても硬いオートグローツをカットして食べやすく加工したスティールカットオーツです。
スティールカットオーツ(アイリッシュ・オーツ)とは
オートミールのメーカーで有名なのがアメリカの「Bob’s Red Mill」です。あらゆる種類のオートミールを扱っていますが、その中でもスティールカットオーツはポリッジ(お粥)の世界大会で1位に2度輝いた実績があります。
定番のロールドオーツよりもずいぶん硬いのですが、プチプチ食感を求める方には定番です。スティールカットオーツは別名:アイリッシュオートミールとも言われます。
次はあまり見ないスコティッシュオートミール。スティールカットオーツよりも さらに細かく砕いた種類です。
スコティッシュオートミールとは
国内ではほとんど見かけないタイプですが「Bob’s Red Mill」の製品はネットで見つかります。こちらも、一つ上の価格帯になります。
そんなネーミングですが、実際は「スコットランド風」という意味なので、別の地域で生産・出荷したオートミールでも カットがスコティッシュならスコティッシュ オートミールの種類で問題ありません。
ロールドオーツのメニューに食感を楽しむためにブレンドするなど、オートミールの食感を楽しみたい方に好まれます。
ロールドオーツ 歯ごたえがあって消化しにくい
オーツ麦は栄養価は高くて優良な食品であるのに、硬いことがマイナス要素となっています。これを改善するために、水蒸気を吸わせて柔らかくなったところで・・
お店で見かけるオートミールの大半はこのロールドオーツとなっています。業務スーパーで扱っているオートミールでは3種類がロールドオーツとなります。
歯ごたえ・食感を残したいメニューに向く
やわらかスープにするには加熱時間がかかる
腹持ちが良い
歯ごたえが決め手となる米化レシピ:おにぎり、チャーハンなどにロールドオーツは適しています。クッキーやビスケットなど 穀物のザクザク感のある仕上がりを期待するときもロールドオーツが向いています。
もし、体調が優れない方にオートミールを勧めるなら、消化するまでに時間のかかるロールドオーツではなく次のクイックオーツにするべきです。
クイックオーツ:ロールドオーツを粉砕した種類
ローラーで押しつぶしたロールドオーツでも、まだ硬いので調理に時間がかかります。そのため、さらに砕いたタイプが・・
砕いてあるので、水やミルクに浸すと水分を吸いやすく、加熱調理をする時間も約半分ほどで済みます。
業務スーパーで扱っているオートミールの中で、クイックオーツの種類に該当するのはリトアニア産の青パッケージになります。
一般的にオートミールを使った調理ではロールドオーツを使いますが、クイックオーツとロールドオーツの違いを知り、使い分けると歯ごたえ・もっちり感をコントロールできます。
ロールドオーツ、クイックオーツを使い分ける
メニューを選ぶときには、食感の違いでオートミールの種類を使い分けます。
ロールドオーツとクイックオーツの使い分け | ||
ロールド オーツ |
クイック オーツ |
|
お粥 | △ | ○ |
スープ | – | ○ |
手作り グラノーラ |
○ | – |
ビスケット | ○ | – |
ロールドオーツは硬いので、歯ごたえがあると美味しいと感じるレシピに向いています。そして、お粥をはじめ水分が多め とろ~り・もっちり感を楽しむメニューはクイックオーツ向きです。
ですが・・
こんな感想になる方もいるので、好みの固さ・もっちり感によって正解は変わってきます。加熱の長さでも食感は変わるので・・
ロールドオーツで長めに加熱
クイックオーツの1分仕上げ
どちらが好きな仕上がりになるのか実際に作って味をチェックします。
まだオートミールに慣れていない方は、オートミールがあまり主張してこないクイックオーツから始めた方が良いかもしれません。
インスタントオーツは食べやすく加工されている
ロールドオーツを食べやすく加工したのがインスタントオーツです。砕かれているタイプもあるのでクイックオーツと似ていますが、大きな違いは・・
すでに調理後のオーツ麦なので、ロールドオーツ、クイックオーツではあまり適さない生で食べることができます。
実際のところはロールドオーツ、クイックオーツもそのまま食べることができます。ですが、味・食感ともに・・
堅い!パサパサ
味がほとんどない「まずいオートミール」を噛み続けることになるため、評価を大きく下げてしまいます。
業務スーパーでは、インスタントオートミールの品揃えはありませんが、そのまま食べるタイプのミューズリーを扱っています。
インスタントオーツにフルーツとナッツをトッピング
ミューズリーとは、加熱処理をしたインスタントオーツに・・
レーズン
ナツメヤシ
ココナッツ
ヘーゼルナッツ
アーモンドフレーク
バナナチップ
これらドライフルーツやナッツ類を豊富にトッピングしているので、オートミールだけでは足りない栄養成分:カルシウム・ビタミン類を補いつつ、美味しく食べることができます。
業務スーパーでは、チェコ産 emco社のミューズリーを扱っています。ドライフルーツがたっぷり入っていて満足できます。
まとめ:業務スーパー ロールドオーツ、クイックオーツ
オーツ麦にまつわる食品は種類が豊富です。加工の違いだけで完成形が何種類にも分かれており、料理ごとに違うオートミールを選んで食感をコントロールできます。
ロールドオーツを使っているとクイックオーツの早い調理にメリットを感じますが、歯ごたえが少なく ねっとり(モッチリ)した感じが気になります。